卒業のことば
温かい春の日差しが降り注ぐ今日のよき日、岡山科学技術専門学校令和2年度卒業生218名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんが手にした卒業証書は、高度な知識や技術の修得と豊かな心の醸成を目指して若い情熱を注いだ真摯な努力の結晶であります。また、皆さんを社会に送り出すことは、我々教職員にとってもこの上ない喜びであり、惜しみない賞賛と祝福の拍手を送ります。
本来なら、多くの来賓をお招きし、保護者の皆様と共に盛大に卒業証書授与式を挙行するところですが、新型コロナウイルス感染症の現状を鑑み、会場での実施を中止するという苦渋の選択を行いました。楽しみにされていた卒業生の皆さん、保護者の皆様のお気持ちを思うと心苦しいばかりですが、何卒ご了承ください。卒業証書は学科ごとの小規模な単位で、学生のみが出席する教室でお渡しします。
今、社会を支える科学技術は大きな変革期を迎えています。今回のコロナ禍では負の面にのみ目が行きがちですが、一方で遠隔授業、テレワーク、電子決済等の急速な普及でICT技術は一挙に加速しました。また、地球温暖化に対応するため低炭素社会の実現が叫ばれており、化石エネルギーの転換、再生可能エネルギーの普及はすでに既定路線となっています。自動車の自動運転化も現実性を帯びてきました。これ以外にも多くの分野で、数十年に一度ともいわれる急速な変化が進行しています。
今日皆さんは、それぞれの夢や目標を胸に社会に旅立つわけですが、このような変革のうねりの中で自分を見失いそうになったり、悩みを抱えることがあるかもしれません。そんな時には学生時代を思い出して母校を訪ねてください。前向きな気持ちを思い出せば、迷いや悩みにも必ず突破口が見えてくるはずです。初心に帰って話をすれば新しい技術に対する回答やヒントが見つかるかもしれません。カギセンは、いつでも皆さん方を温かく迎える準備が出来ております。もちろん、悩みがなくても気軽に訪ねてください。
結びにあたり、保護者の皆様には本校教育に対し温かいご支援、ご協力を賜り、厚く感謝申し上げますとともに、これまでのご苦労と本日のお喜びに対しまして衷心より敬意と祝意を表します。
卒業、おめでとうございます。
令和3年3月15日
岡山科学技術専門学校
校長 大月秀之
送辞
今年の冬は、寒さが一段と厳しかったせいか、陽の光や吹く風の暖かさにもうららかな春の気配が感じられる今日の佳き日に、晴れてこの学び舎を巣立っていかれる皆様方、ご卒業おめでとうございます。在校生を代表して、心よりお祝い申し上げます。
卒業生の皆様は、岡山科学技術専門学校でかけがえのない二年間を過ごされたことと思います。特に今年度は、新型コロナウイルス蔓延のため学年はじめから休校が続き、学園祭や体育祭が中止となるなど忍耐の年でしたが、非常時の過ごし方を学ぶという貴重な経験をすることができました。
教室での授業や資格取得を目指し学んでいく中で、切磋琢磨することの大切さを教わりました。また、就職活動では、休み時間も惜しんでオンライン面接の練習をされていたことを思い出します。一年という短い期間でしたが、共に学び、共に過ごせたことに感謝しています。
私達は、皆様が築き上げてこられたこの輝かしい伝統を守り、受け継いで、より一層努力し、岡山科学技術専門学校を今以上により良い学校にしていきたいと思います。
皆様方は、これから社会という活躍の場へ躍り出ようとされています。様々な困難に出会った時は、この学び舎での知識や経験、また、仲間と深め合った絆で乗り越え、輝かしい未来を切り拓いていってください。
在校生を代表して、皆様の新たな門出をお祝い申し上げると共に、今後のご活躍を心よりお祈り申し上げ、送る言葉とさせていただきます。
令和3年3月15日
在校生代表 電気工学科1年
植松 輝
答辞
暖かな日差しに誘われて、木々の芽も顔を出し、まるで私たちの卒業を祝福しているかのように思えます。
コロナ禍の中、岡山コンベンションセンターでの卒業式は叶いませんでしたが、学校内外の多くの方々に支えられてこの日を迎えられたことに感謝いたします。
思い起こせば二年前、期待と不安をいただきつつ岡山コンベンションセンターでの入学式に緊張しながら出席したのが、つい先日のことのように思われます。これから始まる授業が分かるだろうか、はたして自分に専門の技術が身につくのだろうかという不安を、私たちの多くが胸に抱いていました。しかし、諸先生方の熱心なご指導により、難しかった日々の授業も少しずつ分かるようになり、実習も厳しい中にも面白さを見つけることができるようになりました。
クラスのなかにもたくさんの友達ができ、楽しく学校生活が送れるようになりました。昨年度の学園祭では、準備や模擬店を通して他の学科の先生方や友達との交流が生まれました。体育祭ではクラス一丸となり、クラスメイト同士の絆が一層深いものとなりました。
また、資格試験および国家試験対策の講義や実技演習など、学ぶべきことが多岐にわたり苦労もありましたが、実践に基づいた知識や技術を学ぶことができました。
いよいよ最終学年というとき、新型コロナウイルス感染が拡大し、岡山でも緊急事態宣言が発令され、授業が延期となりいつ始まるのかも分からない状況になりました。初めての経験で戸惑い、勉強や就職活動など不安が募りました。感染状況が落ち着き、約一か月遅れて授業が再開されましたが、楽しみにしていた体育祭、学園祭などは中止となりました。
このコロナ禍の状況下でともに同じ校舎で学んだ在校生のみなさん、慌ただしい毎日で在校生の皆さんとは十分に話もできず、卒業生一同大変残念に思っています。しかしながら、このコロナ禍で何とか学校生活を送ることができたのは、日々の検温、教室の消毒などの先生のご配慮、そして温かい励ましの言葉があったからこそと思っています。そして、本日の卒業を迎えることができたのも、校長先生をはじめ、諸先生方の愛情あふれるご指導のおかげです。本当にありがとうございました。
今後私たちは、在学中に学んだ知識と技術を活かして、社会の荒波にもまれても周囲と助け合い、着実に一歩ずつ成長できるよう一生懸命努力していきます。しかし何分未熟者ですので、難題にぶつかったとき、再び教えを受けるために学校を訪れることがあるかもしれません。そのときは、今まで同様温かくご指導くださいますようよろしくお願いいたします。
これまでにお世話になった皆様に卒業式で直接お会いできなかったのが心残りではありますが、今後も素晴らしい歴史を刻んでいかれますことをお祈りし、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
令和3年3月15日
第32期 卒業生代表 食品生命科学科
今田悠都